上級会員とは、航空会社のヘビーユーザーのことを俗に指します。詳細には、フライトの回数や距離がとても多いユーザーに対しては、各航空会社はダイヤモンドなどのステイタスを付与しますが、そのようなステイタスやあるいはスーパーフライヤーズ会員・JGC会員であるユーザーのことを上級会員と言います。航空会社が公式に「上級会員」ということはめったにありませんが、ユーザーの間では上級会員という言葉が浸透しています。
航空会社各社は、リピーターになってほしいがために、上級会員を優遇するマイレージサービスを展開しています。例えば、東京から那覇にはANAとJAL両方でいくことができますし、価格も所要時間も変わりません。ですが、ANAとJALはそれぞれ自社を選んで欲しいため差別化が必要で、囲い込みのための各種サービスを展開します。これがマイレージサービスです。そしてそのマイレージサービスの一環として、ヘビーユーザーをより優遇する施策も存在します。めったにこない客よりもヘビーユーザーを優遇したほうが、年間あたりの収益は上がるためです。これが上級会員という仕組みがある理由です。
上級会員は大きくステイタス会員と平上級会員の2つに分かれます。
ステイタス会員というのは、前年の飛行機の利用実績によって定まるステイタスを保有している上級会員のことです。ステイタスとは、ANAならブロンズやプラチナ、JALならクリスタルやサファイアなどのランクを指します。ステイタスは基本的には一年でリセットされます。
他方、平上級会員というのは、過去にステイタスをもっていたが、現在はステイタスをもっていない上級会員を指します。具体的には、ANAではスーパーフライヤーズ会員、JALではJGC会員がそれに相当します。
ANAではプラチナサービス以上のステイタス会員を保有しているユーザーには、「スーパーフライヤーズ会員」というものになる権利が与えられます。スーパーフライヤーズ会員になれば、年会費こそ必要ですがプラチナサービス相当のサービスを生涯受けられるカード(スーパーフライヤーズカード=SFC)を貰えます。そしてこのカードを持っているが、ステイタスを保有していない状態を平上級会員と言います。プラチナやブロンズというステイタスは持っていないが、ステイタス会員相当のサービスを受けられるから「役職がなく“平”」いうことになりますが、少しややこしい概念です。もちろん、プラチナのステイタスを持っているスーパーフライヤーズ会員は平上級会員とは呼ばれません。
そしてこれはJALも同様で、JGC(JALグローバルクラブ)会員がANAのスーパーフライヤーズ会員に相当します。ちなみに、2023年12月まではJALもこの「ステイタス会員の状態で申請すれば永遠に上級会員(JGC会員)でいられる」サービスを展開していたのですが、残念ながらそのサービスはなくなってしまい、JGC会員になる方法はより難しくなってしまいました。

そして上記で少し触れましたが、各社ステイタス会員にはランクがあります。
ANAではステイタス会員を「プレミアムメンバー」と呼びますが、上から「ダイヤモンドサービス」メンバー、「プラチナサービス」メンバー、「ブロンズサービス」メンバーと呼びます。そして、ダイヤモンドあるいはプラチナメンバーの状態で上級会員を申請すれば、スーパーフライヤーズカード(SFC)を獲得でき、それによりスーパーフライヤーズ会員になることができる(=平上級会員になれる)ということです。
JALではサービスステイタスとして、上のランクからそれぞれを「ダイヤモンド」「プレミア」「サファイア」「クリスタル」と呼称しています。なお、各ステイタスそれぞれ、JALグローバルクラブ(JGC)会員とそうでない会員向けの区分けがあります(プレミアは除く)。具体的には、JGC会員の場合は「JGCダイヤモンド」、そうでない場合は「JMBダイヤモンド」(JMBはJALマイレージバンクの意味)とされます。JGCはステイタスとは別の概念で、JALのサービスを相当数利用するとなれる会員制度です。JGC会員になれば、ANAのSFCと同じく平上級会員の資格を取得できます。
ANA、JALともそれぞれ最上位の会員であるダイヤモンドになろうとすると、所有するカードの条件などによりますが、年間で少なくとも東京(羽田)⇔沖縄(那覇)間を22往復が必要になります。一番下の会員であるANAのブロンズ、JALのクリスタルでも7往復程度のフライトが必要になります。別段、東京沖縄間を往復し続ける必要はないのですが、これと同等程度には飛行機に乗らなければ上級会員になれないということです。ステイタスを獲得するためのステイタスポイントは、ほぼフライトによってしか取得できませんので、マイルのように陸でコツコツと貯めるというわけにはいきません。
果たして、年間に東京沖縄を「自然に」7往復する人はどれくらいいるでしょうか。ちなみに、ANAで「永久」上級会員であるスーパーフライヤーズ会員になるための申請資格であるプラチナを取得するには、約11往復程度のフライトが必要になります。
一般に、恒久的な上級会員(ANAならスーパーフライヤーズ会員=SFC保有者)、JALならJALグローバルクラブ(JGC)会員になるための積極的な飛行機利用を「修行」(上級会員修行)と俗に言います。修行により、上級会員になるために必要なポイントを貯めるということです。
その場合、会員を目指すために効率のよい路線で往復し続けてポイントを貯める真の修行を行う人々と、全国・世界を楽しくフライトしながらポイントを貯める人々に分かれます。もちろん、後者の方が時間・コストに余裕がある方々です。





